DOCTOR’S JOURNAL
ウルトラコルとは?100・200の違いや効果、ヒアルロン酸との違いを美容皮膚科医が解説


自然な若々しさを目指す、注入治療の選択肢
美容医療において、ヒアルロン酸注入はシワやボリュームロスを改善する代表的な治療のひとつです。
一方で、患者さまからは、次のようなご相談をいただくことがあります。
- ヒアルロン酸で顔が膨らみすぎるのがこわい
- もっと自然に若々しい印象になりたい
- 肌のハリや弾力も改善したい
- 年齢とともに変化した輪郭について相談したい
- 製剤の成分やリスクを理解したうえで治療を選びたい
そんな方に知っていただきたい注入製剤のひとつが、ウルトラコル(ULTRACOL)です。
ウルトラコルは、医療用の吸収性縫合糸などにも使用されるPDO(ポリジオキサノン)を主成分とした注入製剤。ヒアルロン酸とは異なる仕組みで、コラーゲン産生に着目した治療です。
今回は、ウルトラコル100・200の違いや特徴、ヒアルロン酸との使い分け、そして本山美容ケーズクリニックがこの製剤を治療の選択肢として取り入れている理由をご紹介します。
1.ウルトラコルとは?PDOを使用した注入製剤

ウルトラコルは、PDOを微粒子状に加工した注入製剤です。PDOは、医療分野で吸収性縫合糸などに使用されてきた素材です。
美容医療ではPDOを用いた糸リフトなども行われていますが、ウルトラコルは糸ではなく、微粒子を注入する点が異なります。同じ素材を使っていても、別の製品・治療として考える必要があります。
注入されたPDOは、時間の経過とともに体内で分解・吸収されていきます。その過程で生じる組織反応を利用し、コラーゲン産生を促すことを目指します。
製剤自体のボリュームで形を整える治療とは異なり、時間をかけた組織の変化を通じて、ハリや質感の改善を目指すことが特徴です。
ただし、効果の現れ方や持続期間には個人差があり、注入部位や使用量によっても治療目的は異なります。吸収される素材であっても、副作用が起こらないという意味ではありません。
2.ウルトラコル100と200の違い

ウルトラコルには「100」と「200」があります。どちらもPDOを使用した製剤ですが、粒子の大きさや製品の位置づけが異なります。
比較表は左右にスクロールできます。
| 比較項目 | ウルトラコル100 | ウルトラコル200 |
|---|---|---|
| 主成分 | PDO(ポリジオキサノン) | PDO(ポリジオキサノン) |
| 粒子の違い | 200より小さい粒子 | 100より大きい粒子 |
| 製品の位置づけ | 肌の質感に着目したスキンブースター | コラーゲン形成によるリフティング・ボリュームの変化に着目した製剤 |
| 治療を考えるときの視点 | 小じわ、ハリ、肌の質感など | ハリや引き締まり、加齢に伴うボリュームの変化など |
ウルトラコル100
ウルトラコル100は、皮膚の質感に着目した治療で検討する製剤です。小じわや肌のハリ、質感などのお悩みに対し、診察のうえで適応を判断します。
ウルトラコル200
ウルトラコル200は、ハリや引き締まり、組織のボリュームの変化に着目して検討する製剤です。加齢に伴うお顔の変化を確認し、どの部位にどのような治療が必要かを判断します。
100と200は、どちらが優れている?
数字が大きいほど優れているというわけではありません。肌の質感を整えたいのか、ハリやボリュームの変化にアプローチしたいのかによって、検討する製剤は異なります。
また、同じ製剤でも注入方法や部位によって治療の目的が変わります。当院では、患者さまのお悩みやお顔の状態を確認し、適した製剤をご提案しています。
3.ウルトラコルとヒアルロン酸は何が違う?

ウルトラコルを検討する際、よく比較されるのがヒアルロン酸注入です。どちらも注入による美容医療ですが、作用の仕組みや目指す変化には違いがあります。
ヒアルロン酸注入
ここでは主に、ボリューム補充や輪郭形成に使用するヒアルロン酸注入材についてご説明します。
ヒアルロン酸注入は、製剤そのものによって組織のボリュームを補い、形を整える治療です。頬のボリュームロスを補う、ほうれい線を目立ちにくくする、輪郭を整えるなど、目的と部位に応じて製剤を選びます。
ヒアルロン酸にもさまざまな製剤があり、硬さや広がり方などの特徴は同じではありません。
ウルトラコル
ウルトラコルは、PDOによる組織反応とコラーゲン産生に着目した製剤です。注入直後の見た目だけで判断せず、時間をかけて生じる変化を確認します。
比較表は左右にスクロールできます。
| 比較項目 | ヒアルロン酸注入 | ウルトラコル |
|---|---|---|
| 作用の考え方 | 注入したゲルによって組織のボリュームや形を補う | PDO微粒子による組織反応とコラーゲン形成に着目する |
| 治療で重視すること | ボリューム補充や輪郭形成など、製剤ごとの目的 | ハリや質感、組織のボリュームの変化など、100・200それぞれの目的 |
| 仕上がりの考え方 | 注入部位・量・製剤の性質を踏まえて形を調整する | 注入直後だけでなく、時間をかけた変化を評価する |
| 選ぶときのポイント | お顔の状態、希望する変化、治療歴、リスクを踏まえて判断する | |
ウルトラコルであれば必ず自然な仕上がりになるというわけではありません。ヒアルロン酸でも、適切な製剤や量を選ぶことが大切です。どちらが合うかは、患者さまが求める変化やお顔の状態によって異なります。
4.ウルトラコルで相談できるお悩み

ウルトラコルは、製剤の種類や注入方法によって、次のようなお悩みに対する選択肢として検討します。
- 肌のハリや弾力が低下してきた
- 小じわが気になる
- 肌の質感を整えたい
- 年齢とともにボリュームの変化を感じる
- 自然な印象を大切にしながら治療を受けたい
- ヒアルロン酸以外の注入治療も検討したい
ただし、すべてのお悩みにウルトラコルが適しているわけではありません。明確なボリューム補充や輪郭形成が必要な場合には、ヒアルロン酸など別の治療を検討することもあります。
お悩みの原因を診察で見極めることが、治療選びの第一歩です。注入治療だけでどこまで対応できるかも含めて、ご説明します。
5.ウルトラコル200の症例紹介


| 施術名 | ウルトラコル200 |
|---|---|
| 使用量 | 1バイアル |
| 施術部位 | 両頬 |
| 施術費用 | モニター価格 132,000円 |
| 施術回数 | 1回 |
| 主なリスク・副作用 | 腫れ、赤み、内出血、痛み、しこり、凹凸、感染など |
※治療効果には個人差があります。
実際の診療では、お顔の骨格や脂肪のつき方、皮膚の状態などを考慮し、注入部位や量を決定します。写真の印象は撮影条件や表情などにも影響されるため、同じ条件で経過を確認することを大切にしています。
6.開発に携わったクォン先生から直接学んだウルトラコル

本山美容ケーズクリニックの河邉院長は、ウルトラコルの開発に携わったクォン先生(Dr. Han-Jin Kwon)のもとを訪れ、製剤について直接学ぶ機会をいただきました。
ウルトラコルの特性や注入方法について学び、開発に携わった医師の考え方に触れることができた貴重な経験です。
美容医療では、新しい製剤や治療法が次々と登場します。しかし、話題になっているから、人気があるからという理由だけで、すべての治療が患者さまに適しているとは限りません。
だからこそ河邉院長は、製剤の特徴や使用方法を理解し、実際の治療にどのように活かせるのかを学び続けることを大切にしています。
直接学んだ経験を日々の診療に活かしながら、患者さま一人ひとりに適した治療をご提案できるよう努めています。

7.施術回数・持続期間・ダウンタイムについて

ウルトラコルは、注入直後の状態だけでなく、時間の経過による組織の変化も考慮する治療です。そのため、施術直後の見た目だけで最終的な仕上がりを判断することはできません。
施術回数と間隔
必要な回数や施術間隔は、製剤の種類、注入部位、お悩みの程度によって異なります。1回の施術で経過を観察する場合もあれば、複数回の治療を検討する場合もあります。
診察で治療の目的を確認し、経過を見ながら次の施術を相談します。
持続期間
PDOは時間とともに分解・吸収される素材ですが、製剤が吸収される期間と、美容上の変化が持続する期間は同じではありません。効果の現れ方や持続期間には個人差があります。
ウルトラコル100には皮膚の状態を評価した臨床研究がありますが、その結果をウルトラコル200や長期的な持続期間にそのまま当てはめることはできません。
ダウンタイム・リスク
注入後には、赤み、腫れ、痛み、内出血などが生じることがあります。また、しこり、凹凸、感染などのリスクもあります。
施術前に、起こりうる症状と経過中の注意点をご説明します。施術後に気になる症状がある場合は、当院へご相談ください。
国内承認状況・入手経路・海外の安全性情報・公的救済制度についてはこちら
8.河邉院長がウルトラコルを提案する理由

価格だけでは判断できない、美容医療の価値
ウルトラコルについて、河邉院長が大切にしている考え方があります。それは、「美容医療の価値は、価格だけでは決められない」ということです。
美容医療にはさまざまな選択肢があり、ウルトラコルも決して安価な治療ではありません。初めて製剤名を聞いた方にとっては、費用に驚かれることもあるかもしれません。
当院がウルトラコルを選択肢として取り入れているのは、製剤の特性や治療の考え方を学び、患者さまのお悩みに応じた使い分けを大切にしているからです。
もちろん、高価な治療であれば必ず満足できるというわけではありません。大切なのは、その治療がお悩みに適しているか、期待できる変化とリスク、費用のバランスに納得できるかということです。
- 本当に自分に必要な治療なのか
- ほかの製剤ではどう違うのか
- 費用に対して、どのような変化を目指せるのか
そんな疑問も、遠慮なくご相談ください。患者さまが納得して治療を選べることを、何より大切にしています。
9.まとめ|ウルトラコルを検討している方へ

ウルトラコルは、PDOを使用し、コラーゲン産生に着目した注入製剤です。ヒアルロン酸とは異なる仕組みを持ち、肌のハリや質感、組織のボリュームの変化に対する選択肢として検討します。
100と200では製剤の特性や使用目的が異なるため、お悩みに応じた使い分けが大切です。
当院では、製剤の特徴だけでなく、お顔の状態やご希望、これまでの治療歴、ご予算なども考慮しながら、治療をご提案しています。
美容医療は、価格だけで選ぶものでも、流行だけで選ぶものでもありません。ご自身にとって価値のある治療を、納得して選んでいただきたいと考えています。
ウルトラコルに興味のある方、ヒアルロン酸以外の選択肢を検討したい方も、ぜひ一度ご相談ください。本山美容ケーズクリニックでは、河邉院長によるカウンセリングを行っております。
参考資料
- Ultra V公式:ULTRACOL製品情報 — PDO素材、100・200の製品仕様と位置づけ、作用の説明。
- cosmetics-11-00004.pdf — 「An Assessment of the Effectiveness and Safety of ULTRACOL100 as a Device for Restoring Skin in the Nasolabial Fold Region」。p.1–3:31名を対象に8週間、ウルトラコル100使用後の皮膚の粗さ・弾力・密度などを評価した研究。200や長期持続を確認した研究ではありません。
- Ultra V公式掲載:クォン先生のインタビュー(2023年3月18日) — PDO糸を粉末化する着想とウルトラコル開発の経緯。
- ガルデルマ公式:レスチレン ヒアルロン酸使用軟組織注入材について — ヒアルロン酸注入材のボリューム補充・輪郭形成と製剤ごとの特徴。
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